「みなさん、われわれは彼を捕まえた」
イラクを占領統治する連合国暫定当局(CPA)のブレマー行政官は12月14日、米軍が13日、イラク戦争以来約8か月にわたり逃亡していたフセイン元大統領(66)を生きたまま拘束したと、発表しました。
13日午前、米軍に潜伏情報が寄せられ、米特殊部隊など約600人が日暮れとともに元大統領の故郷ティクリート近郊のアッドールで捜索作戦「赤い夜明け」を開始しました。農家の地下に掘られた深さ約2mの穴に潜んでいた元大統領を発見しました。入り口を泥やレンガで偽装し、1人が横になれる広さ。内部には換気扇と換気口も備えられ、長期潜伏ができるようになっていたそうです。中からは75万ドル(約8100万円)の米ドル紙幣やピストルなども見つかりました。この作戦では、発砲もなく負傷者も出ませんでした。
司令部発表のビデオでは、本人確認に決定的となる遺伝子鑑定を医師が行っているシーンも見られました。元大統領のようすは、ひげは伸び黒い髪の毛はぼさぼさで、疲れ気味の表情でした。「よくしゃべり、協力的だ」とのことです。
これを受けてブッシュ米大統領はテレビ演説で「自由に味方した人々の勝利だ」と語り、拘束作戦の成功をたたえました。その一方で、「フセイン元大統領の拘束は、イラクで暴力が終わることを意味するわけではない。テロリストはアメリカに対する直接の脅威である」と語り、これからもテロへの戦いを継続していく意思を強調しました。ということは、イラク国内でのテロは相変わらず続くわけで、派遣された自衛隊に降りかかる危険度に変わりはないのでしょう。
イラク各地では拘束を祝って「祝砲」が発射されましたが、イラク北部キルクークでは市民が空に向けて銃で「祝砲」を乱射したため、流れ弾に当たって4人が死亡、60人以上が負傷したそうです。
イラクでの34年間にわたるフセイン支配に、終止符が打たれました。
(2003年12月16日)
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