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足利銀行一時国有化

政府は11月29日、足利銀行が1023億円の債務超過に陥ったとして、預金保険法102条に基づく金融危機対応会議を開き、一時国有化(特別危機管理)することを決めました。

地方銀行の一時国有化は初めてです。

足銀の破たん処理に伴う公的資金は約1兆円になりますが、預金は全額保護されます。

足銀は、栃木県で預金量・貸出額で40%を超えるシェアがあり、地域経済に大きな影響力を持つことから、一時国有化という手段をとって金融システム不安の広がりを防ごうとしたわけです。

これからは、現経営陣が近く引責辞任し、首相が足銀の新経営陣を指名します。

金融庁が派遣する経営監視チームが実質的な経営権を握り、受け皿金融機関を探します。国が足銀を受け皿金融機関に譲渡したり、合併させたりする際、公的資金が注入される段取りです。

この事件とは裏腹に、11月下旬には「不良債権問題は峠を越えた」として、大手銀行・金融グループのトップは、2003年9月中間決算の発表の席上、これまでになく明るい表情を見せたものです。りそなグループ以外、全6グループが税引き後利益で黒字を計上しました。

銀行トップが発する「峠を越えた」宣言は、過去に何度も裏切られてきています。その矢先の足銀の一時国有化でした。峠は越えていませんでした。国内には、不良債権の病巣がまだまだくすぶっているのです。不良債権問題の解決方法は、銀行の自助努力と同時に、政府・日銀のデフレ克服以外にありません。

金融庁は8月、15銀行・金融グループに業務改善命令を出しています。来年3月期でも決算内容が悪かった銀行にはトップ交代を求める姿勢でしたが、その前に倒れてしまう銀行が出てこないことを祈るばかりです。

(2003年12月2日)




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