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vol.5:英語は怖くない(前編)



「英語環境」に飛び込め! 

桜は、先輩の藪中と入った居酒屋で、「花ちゃん」の話を耳にします。
それほどハイレベルでなくても、英語が話せたらいいな、楽しいだろうなと思うことは誰しもあるはず。桜も、それを強く感じるシーンに出くわしたようです。

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定食屋の看板娘、花ちゃん

藪中が桜をランチに誘った。桜は鈴木真奈美にも声をかけ、3人で出かけることに。いかにも、の感じの大将と奥さんらしい女性とが黙々と厨房で働くなか、3人の話は魚の捌き方、焼き方になっていた。 

「鈴木は魚おろしたこととかあんの?」
「魚を丸ごと1匹なんて、買った事ない。スーパーじゃ切り身で売ってるし。1匹形のあるまま買うなんて、サンマくらいかな。サンマだったらそのまま焼くだけだしね」。

そこで藪中が思いだしたように言った。

「そういえば、この店、夜来ると外人さんが結構いるんだよな。ねえ、大将?」
「ああ、昼間はいねえけど、花ちゃんがいる時は外人のお客さんが増えますねえ」。

「花ちゃん?何、ここの看板娘?」
「看板娘といえば看板娘だけど、美人ってわけでもねえし外国語しゃべれる訳でもねえし。何でだろうねえ。もっとも、英語しゃべっててもあたしらにはそれもわからねえな。だから、外人さんの相手は、もっぱら花に任せっきりですわ」。

「ああ、思い出した。昼間は何か別の仕事やってて、7時くらいからお店に入る眼鏡の子。やっぱ、彼女英語しゃべれるのかなあ?」と桜。
「そんならお客さん、今夜来て直接聞いてみればいいや。今日は、花が来る日ですから」。
「大将も意外と商売上手だねえ。じゃあ、帰りに3人でまた来るか」。


女は愛嬌、英語は度胸

その夜、藪中と桜は2人で、花ちゃんが店にいる時間を見計らって店へ行く事にした。定時退社がモットーの鈴木真奈美はパスしたので、藪中にとっては思わぬデートになってラッキー!

「いらっしゃいませ!」
花ちゃんの元気な声が2人を迎えた。店内は混雑していたが、運よく席が空く。店内の様子を見回すと、外国人の2人組が向こうのテーブルで飲んでいた。

「あっ、いるいる。花ちゃんと何か話してる。英語かなあ、けっこう盛り上がってる」
「彼女が英語でしゃべってんの?外人さんが、日本語しゃべれるんじゃないの?」
というのと同時にまた、別の外国人3人のグループが入ってきた。
「あっ、まただ。みんな日本語しゃべれるとは思えないよな」

そこへ、バイトの店員さんがジョッキを持ってやって来た。
「ハイ生2つ。ご注文は?」
「枝豆と刺身の盛り合わせ。ねえ、花ちゃんてさ、英語できるの?それとも日本語?」
「英語で話してるみたいですよ。いわゆる日本語英語というか、中学校の英語の授業みたいな会話ですけど、ちゃんと会話になってるみたいです。花さんいない日は外人さん来ないから、やっぱり花ちゃんがいるって安心して、来てるんじゃないですか?」

メニューは花ちゃんが運んできたので、桜が尋ねた。

「英語しゃべれるの?」
「えっ? しゃべれるってほどではないですけど・・・。私、海外行ったこともないし、たどたどしい英語だからお客様はずいぶん面倒くさいと思いますよ。何とか会話になってきたのは最近かな」。

「へえ、最近? 英会話スクールにでも通ったの?」
「そんな余裕ないですよー。もともとのきっかけは、地図を持ってどこか探している外人さんに声をかけたことからなんですけどね。道を教えるのにうまく英語で伝えられなくて、一緒にそこまで連れていってあげたんです。そしたら偶然にもその夜にその方がお店にいらっしゃって。
それからちょくちょく仲間と一緒にいらっしゃって、そうすると私も英語覚えなきゃって」。

「じゃあ、どんな勉強してるの?」
「勉強というほどのことはなかなかできないし、お金もないから、NHKのラジオ講座とか、テレビの英会話教室見てるくらいです。あとは、お客様に逆に教わってます。教科書もこれだけですよ」。
とエプロンのポケットから取り出して見せてくれたのは、ポケットサイズの辞書。

「たくさんの事は覚えられないし、わからない単語をその場で確認していくのが一番ですね。毎日何とか話してるうちにわかるようになったって感じですよ。そのうち私も一度は海外行ってみたいなあ」
「ふーん。私なんて、何度も海外行っているのにさっぱり。ちょっと落ち込むな」

「それじゃ、もう一軒、つきあえよ。いいとこ連れてってやる」。

自分磨きのヒント

次回をお楽しみに・・・

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