|
英語とiPodの楽しい関係
会社近くの居酒屋で、自分なりに工夫しながら英語を勉強している花ちゃんに出会った桜。
彼女を見て自分を反省する桜。
さて、藪中が桜を案内した「いいところ」って?
→登場人物プロフィール
普通じゃない、バー
藪中が携帯で誰かに電話した後、2人はその居酒屋を出た。地下鉄で移動し改札を出たところに、藪中の親友の水田が待っていた。
「あ、水田さん。藪中さんが電話していたの、水田さんだったんですか」
「どーも。突然、藪中が日本語の通じない店に連れてけって電話してきたもんだから何かあるとは思ったんですよ」。
「水田、よけいなことはいいから、早く行こうぜ。ところで、真里ちゃん今日は一緒じゃないの?」
「真里はほら、例のセントレア空港開業のあおりで残業。終わり次第合流するって言ってた」。
水田の案内で入った店は、カジュアルなバー。ただし、そこにいるのは外国人ばかり。バーのスタッフもお客さんも、更にはメニューも全部英語。誰一人日本語を使っていない。水田がスタッフとなにやら英語で談笑しながら注文している。
「水田さんも英語しゃべれるんですね。そうだろうな、とは思っていたけど目のあたりにすると何だか不思議」
「俺だって水田ほどではないにしても、多少はわかるんだぜ」
「見栄張っちゃって」
肩身の狭い、英語漬けの世界
ビールで乾杯して間もなく、宮崎真里(水田の彼女)がやって来た。
真里は、航空会社に勤務しているので、それなりに英語も堪能だ。入って来るなり水田と真里はもっぱら英語でしゃべっている。店全体が英語なんだから別にいいのだが、桜は急に居心地が悪くなった。
「水田さん、ここ出ません?何だか私、肩身が狭くて」
「あ、ごめんごめん。別に日本語でもいいんだけど、今日は桜さんに英会話上達の秘訣を3人で伝授しようかなーなんて思ったわけだから、ここを出ちゃうと意味がないんだよね」
「私の英会話?」
「さっき花ちゃん見て、羨ましそうだっただろ。で、英会話が堪能なこの2人と僕とで、このプランを考えたわけ。一日でも早く始めるたほうがいいだろ?」
「うーん、でも、私がいまさら・・・って気もする」
「それは桜さん次第だよ。僕たちだって帰国子女でもないし、もともと今の桜さんと同じくらいの語学力しかなかったんだから。3人とも社会人になって勉強したクチさ」
「えーーっ、それでそんなにしゃべれるようになったの?どうやって?」
「僕たちは、中学から大学まで10年間も英語の授業を受けているわけだから、基本的に英語はわかっているはずなんだよね。でも話せない。話せないのは、聞き取れないから。
だから、英語を聞く環境に身を置くことから始めればいいんだよ。英語を聞く環境といってもそんな特別なことじゃなく、ラジオは英語のFM放送だけ聞くとか、映画を見る時は吹き替え版見ないとか。小林克也さんだって、FEN聞きながら英語覚えたらしいじゃない。辛抱して聞いているうちに、だんだんと単語が聞き取れるようになる。単語が聞き取れるようになれば辞書で確認して覚えればいいし。
最近は、映画のDVDも安いし、好きな映画のDVDを買って、何度も見るといいよ。映画の英語は、ほとんどはわかりやすいセリフだからね。DVDには、英語と日本語両方入っていて、再生時に選べるものがほとんどだから、ヒアリングにはぴったりだよ」。
「なるほどねえ。でも、聞いているだけじゃ、やっぱり単調で飽きちゃいそう」。
「だから、こんな場所にも来るんだろ」
「でも、いつもいつもこんな店に来れるわけじゃないし、誰かと一緒だと日本語しゃべっちゃいそうだし、家からも遠いでしょ。それだったら近所の英会話教室に行った方がいいかな、とか思っちゃう」
「桜さん、こんなの見たことない?」
と水田が取り出したのは、英語のフリーペーパー。
「日本駐在や留学している外国人向けの情報誌。有料無料、結構いろんな種類があって、載ってる情報もいろいろ。この店もこれで見つけたんだけどね。
英会話の個人レッスンの広告や、逆に日本語教えて欲しいなんてのもある。ボランティアの英会話クラブや米軍基地でやっている英会話もあるだろう。
こういう情報をよく見ると意外と近くに良い場所が見つかるよ。会話は苦手でも、だいたい読めるのが日本人の英語力だからね。桜さんもそうだろ。
面倒くさいようだったら、出版社のwebサイトを開いて、翻訳ソフトで一気に翻訳して探すと簡単だよ」。
「へえーー、知らなかった」。
藪中のとっておき「英語上達」ツール
「じゃあ、僕のとっておきも見てもらお」
と薮中が取り出したのはiPod。
「どうしてこれがとっておきなのよ」
「この中にはPOPSのアルバムと英会話のレッスンのCDをたんまり入れ込んであって、ランダム再生してるんだよ。最初、英会話のCDをMDに落として、MDプレーヤー持ち歩いて聞いていたんだけど、MDをいっぱい持ち歩くのはめんどくさいし、英語ばかりだと疲れちゃってさー。
iPodが出て、この小さい中に何千曲も持ち歩けるようになっただろ。じゃ、好きなアルバムと一緒にして聞けば飽きないな、と思って買ったんだけど、これがいい感じ。通勤や外出する時は必ず聞いてるから、すっかり耳が英語に慣れちゃったよ」。
「いつも聞いていたのは音楽だけじゃなかったんだ!」
桜は地球の形に削られた氷が入ったバーボンロックを、安心したように口に運んだ。
自分磨きのヒント
|