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心を癒してくる本

憂鬱な気分が永遠に続くかも…と思ったら


憂鬱な気分のとき、本を読むとしたら…? あなたなら、どんな本を選びますか?

きれいな写真集や絵本を眺めるのもよいでしょう。でも、そんなもの見たくもない気分のときもありますよね。

では、こんな1冊はいかがでしょうか。

乳がんの手術以来、何をするのもかったるい25歳の女性を主人公にした表題作を含め、5つの短編がおさめられています。登場するのは、定職につかず、どこか身の置きどころがなく、憂鬱のトンネルから抜け出す道があるやなしやの人物たち。ディテールの描写が生々しく、何をしてもだるい、もどかしい登場人物の心情が痛いほど伝わってきます。

あなたのすぐそばにいる幸福そうに見えるあの人も、もしかしたら憂鬱を抱え込んで、トンネルの中でもがいているのかもしれません。確かなのは、しんどいのは自分ひとりだけじゃないってこと。明日になれば、何かが変わるかもしれません。しんどい気持ちをだれかと共有することによって生まれるものって、きっとありますよね。シンパシーとか、愛情とか友情とか、ちょっとしたあったかみとか。本の登場人物と共有するのもいいんじゃないかと思います。直木賞受賞作品です。




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■書籍クレジット
『プラナリア』
作者:山本文緒
発行所:文藝春秋
定価:1,333円(税別)


■著者紹介
やまもとふみお。1962年11月13日、横浜市生まれ。神奈川大学を卒業後、OL生活を経て、87年「プレミアム・プールの日々」でコバルト・ノベル大賞、佳作受賞。少女小説の作家としてデビュー。92年「パイナップルの彼方」で、少女小説から一般文芸に移行。99年「恋愛中毒」で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年「プラナリア」で第124回直木賞受賞。代表作に「ブルーもしくはブルー」「あなたには帰る家がある」「ブラックティー」「紙婚式」ほか。幻冬舎のPR誌「星星峡」で連作短編を連載中。この3月に、1歳年下の出版社勤務の男性と結婚した。





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