| ここでない、どこかに行きたい。そんなときは本書を開きましょう。海辺での母と子の会話を通して、漂着物について詩情豊かにうたいあげています。美しいページをめくるたび、あなたの心はたちまち海へ、そして世界中へとトリップすることでしょう。
海辺で育った作者が、浜辺で見つけた宝物は、貝がら、波にあらわれて磨かれたガラス、ヤシの実、サメの歯…。ひとつひとつが、私たちの住んでいる世界について教えてくれます。そして、海には、大きすぎて家には持って帰れない、もっともっと大きな贈り物が…。砂、波の音、月の光、水、太陽、それらは、いつも私たちのまわりにあるのです。
巻末の漂着物の解説も楽しいです。お子さんと一緒に楽しむもよし、ご自身の時間に楽しむよし。1冊の絵本という小宇宙から、大宇宙へと思いは広がります。
「だってね おおきなものほど わすれてしまうのよ。いつでもそこにあることを」
井上荒野さんの訳文も絶妙です。 |