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心を癒してくる本

心の闇のナゾに迫る、ファンタジー


ハリポタ(ハリー・ポッター)人気で、ファンタジーのとりこになった人は少なくないことでしょう。そう、ファンタジーは、けっして子供だけのためのものではありません。大人だからこそのめりこみ、大人だからこそ、よさがわかる良質なファンタジーをご紹介します。

少年ゲドは、血気にはやる若者だったころ、魔法の修業中、高慢と憎しみの心から、禁じられた呪文を唱えてしまいます。呼び出して、この世に放ってしまったのは、死の影。その瞬間から、ゲドは見えない影の恐怖におびえながら、さまよい続けます。しかし、師とあおぐ魔法使いの言葉をきっかけに、逃げ回るのでなく、自分のほうからその影を追い始めます。そして、影とは自分の分身だと気づくのです。追い詰めていった世界の果てで、ゲドがついに手にしたものとは…。

ことばと沈黙、光と闇、生と死、善と悪…世界はそういったものの均衡で成り立っていて、その均衡をうかつに崩すと、どうなるのでしょうか。

ゲドは、私たちひとりひとりなのかもしれません。冒険物語でありながら、無意識の心の闇、自己の内面での葛藤、精神的な成長などに迫るファンタジーの傑作です。みずからの心の闘いと重ねて読みながら、ゲドとともに苦しみ、いつしかゲドとともに救われていくことでしょう。




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■書籍クレジット
『影との戦い ゲド戦記T』
著者:ル=グウィン作
訳者:清水 真砂子
発行所:岩波書店
定価:1600円(税別)


■書籍CAP
『こわれた腕環』 ゲド戦記 II、『さいはての島へ』ゲド戦記 III、『帰還』ゲド戦記 最後の書(岩波書店)の全4巻。


■著者紹介
ル=グウィン

1929年、アメリカ・カリフォルニア州バークレー生まれ。SF作家、ファンタジー作家。父親は著名な文化人類学者、母親は作家という家庭に育ち、9歳からものを書き始めた。ラドクリフ大学・コロンビア大学卒業。フランスとイタリアのルネッサンス期の文学を専攻する。パリ留学中に知り合ったシャルル・A・ル=グウィンと結婚。69年に発表された小説『闇の左手』は、その年度のヒューゴー賞とネビュラ賞を独占した。 オレゴン州ポートランド在住。著書に『内海の漁師』『闇の左手』『所有せざる人々』『風の十二方位』『オルシニア国物語』『言の葉の樹』(以上、早川書房。ハヤカワ文庫SF)『空飛び猫』『帰ってきた空飛び猫』『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち』 『空を駆けるジェーン 空飛び猫物語』(以上、村上春樹訳。講談社)『いちばん美しいクモの巣』(長田 弘訳。みすず書房)『世界の果てでダンス』(白水社)『オールウェイズ・カミングホーム』(平凡社)ほか。






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