| 忙しい毎日、時間に追われて消耗していく感じ、ありませんか? なんか大事なこと、どっかに置き忘れちゃってるような。それが何だったかすら思い出せないような…。
本書は、スウェーデンの人気作家ウルフ・スタルクが自分の子供時代をもとに描いたお話。1992年に本国で出版されて以来、各国で幅広い世代に親しまれてきました。
おじいちゃんが欲しい! そんなとっぴもない発想から出会ったお年寄りと少年たち。血縁関係も会社関係もなんのしがらみもないのに、お互いの心と心が深くふれあっていきます。年配者が偉いわけでも子供が尊いわけでもなく、あくまで対等。お互いにいろんなことを教えあって、一緒に遊びます。しかし、出会いがあれば別れがあり、歓びがあれば哀しみもあり、イキイキと生きればそののちには死もやってきます。
シリアスなテーマを扱いながらも、登場人物たちのかかえる孤独感、喪失感などをけっしてセンチメンタルにならずに、さらりとあったかく描いています。切ないけどユーモラスな味わいが、アンナ・ヘグルンドの絵ともあいまって、絵本全体に心地いい風が吹き渡っているよう。しんとした気持ちになるのに、心を優しく撫でてもらったみたい。胸にしみる1冊です。 |