| たとえば昔、住んでいた部屋。たとえば学生時代、遊びにいった友達の部屋。部屋の光景は、記憶の中でいつまでも不変です。なんだかなつかしくなりますね。
本書は、安西水丸さんがかつて見たことのある64の部屋と、そこに住む人との出会いを絵と文で綴ったものです。壁が赤い部屋、等身大の彫刻がある部屋、ハンモックがある部屋、コレクションのふくろうがたくさん飾られている部屋、お酒がいっぱいある部屋…、どれもひとつとして同じものはありません。住んでいる人の人となり、生活ぶりが反映され、どの部屋も居心地がよさそう。部屋にいる住人も、いい感じです。ささやかだけど、かけがえがないそれぞれの部屋、日々の暮らしを思わせます。ページをめくると、心の緊張がゆるやかにほどけていきます。
大事なものって特別なことじゃなくて、実はとても身近なところにあるのかもしれません。98年に出版されましたが、ぜひ読みつがれていってほしい本です。
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