今からもう80年近く前に出版された雑誌の復刻です。「子供之友」は、もともと1914(大正3)年、婦人之友社を主宰する羽仁もと子氏によって創刊された月刊誌。婦人之友社が創業100周年事業として、写真の1924(大正13)年3月号、さらに翌1925(大正14)年4月号に、再び息吹を与えました。
当時こんなに成熟した文化があったとは! ページをめくっていくと、人々の生活は今よりもっと落ち着いているのでは? もしかしたら今より心豊かだったかもしれないと思えてきます。実際のところ、大正は児童文化の黄金時代といわれます。デモクラシーの自由な空気のなかで、子供のための雑誌が次々に創刊されました。「子供之友」「コドモノクニ」といった絵雑誌は、見開きごとに違う物語や詩が挿し絵とともに展開するスタイル。竹久夢二、武井武雄、初山滋、村山知義、西條八十、河井酔茗といった第一線の画家・作家たちが腕をふるって、幼い読者の心を(おそらく母親をも)魅了し続けました。しかし、1943(昭和18)年、大戦中の用紙制限によって休刊。姿を消します。
しかし、良いものは時代を超えて受け継がれていくのですね。詩趣あふれ、洗練された持ち味は少しもそこなわれることなく、時代とともにますます輝きを増しています。
幼い読者たちの絵、手紙なども興味深いです。私たちの先祖にあたる母親たちはどんな気持ちで絵雑誌を買い求め、子供たちはどんなふうにお話の世界を楽しんでいたのでしょうか? ゆったり思いをはせてみましょう。 |